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第90話 遺跡の盗賊掃討戦1

Author: 黒蓬
last update Huling Na-update: 2025-05-20 06:00:20

緊急クエストは準備ができ次第連絡するということで、俺達は街で宿を取ることを告げて一旦冒険者ギルドを出た。

ギルドにお勧めされた宿を取って、昼食を取っているとギルドから準備完了と習合の連絡が来た。

「思ったより早かったな」

「そうですね。運良く近くに冒険者が集まっていたんでしょうか?」

「かもな。俺達もその内の一組だし」

速めに食事を終えてギルドへ戻ってくるとかなりの数の冒険者達が待機していた。

それから少し待つと二階へ続く階段の中腹に立った一人の男性が、全員に向けて声を上げた。

「待たせてすまない。初めての者もいると思うが、俺がここのギルドマスターのガイレンだ。メンバーもほぼ揃ったのでこれより緊急クエストの盗賊掃討作戦について説明する。やることは単純だ、遺跡に居座る盗賊達を掃討する。これだけだ。

遺跡の周囲は木々に囲まれているので視界が悪い。不意打ちに注意してくれ。

また今までの情報から盗賊達の見た目はほぼ統一されているから間違うことはないと思うが、念の為にお前達には識別用のバンドを左右どちらかの腕に付けて貰う。

だが、バンドを付けているからといって油断はするな。盗賊のスパイが紛れ込んでいる可能性もある。同士討ち防止の目印程度に考えてくれ。

あと可能な範囲で構わないがなるべく遺跡への被害は抑えて欲しい。

最後に作戦終了時に参加証明を配布する。それを持たない者には報酬を支払えないので、間違いなく受け取ってくれ。何か質問がある者は居るか?」

「盗賊が遺跡を占拠している理由、目的は何なんですか?」

「不明だ。もし作戦中に何か分かった場合は、教えてくれれば相応の情報料を報酬に上乗せしよう」

その後もいくつか冒険者達から確認などがあったがガイレンは適宜回答していた。

質問も出なくなったところでガイレンが話を締めくくる。

「他にはないな?ではこれより、作戦開始だ。各自の健闘を祈る!」

ガイレンが作戦開始を告げると、冒険者達は各々ギルドを出て行く。

俺達も流れに合わせてギルドを出た。そうしてそのまま街を出た辺りで、カサネさんが小声で俺に耳打ちしてきた。

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